83歳の挑戦!「二千日回峰早朝修行」に込めた覚悟と信念

83歳の宮司が挑む「二千日回峰早朝修行」。その目的は、江戸時代の儒学者・佐藤一斎の『言志四録』に記された、「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」という精神を日々の修行に体現することにあります。つまり、自分に厳しく、他人にやさしくあるための心身の鍛錬です。
この修行は、誰かに称賛されるためのものでも、達成の証としての修了証を得るためのものでもありません。他人の評価ではなく、自分自身で定めた道を、一歩一歩、愚直に歩む覚悟が求められます。笑われようと、批判されようと、揺るがぬ信念が支えとなるのです。
2025年4月21日現在、修行は789日目を迎えました。一般的に修験道の山伏たちが行う千日回峰行を基に、宮司は独自に「二千日回峰早朝修行」を構想。奈良県吉野山と長野県阿南町を舞台に、十年計画でこの修行を続けています。201日を残すところまで歩みを進め、千日達成という第一の目標が目前に迫っています。
80歳の誕生日に「誰もやったことのないことに挑戦したい」と決意したこの修行は、十年という長期にわたり、日々続けられる極めて過酷な試練です。目的はただ一つ、自らを律し、心の奥深くにある「思いやりの力」を鍛え抜くことにあります。
「なぜそこまでして歩くのか?」と問われれば、答えは明快です。「誰もやったことがないから」。前例のない挑戦を通じて、人としての本質に向き合うことが、この修行の核にあります。
今の社会には、自分に甘く他人に厳しい風潮が蔓延しています。責任よりも自己保身を優先する政治家が目立つなか、自らに厳しさを課し、他者に慈しみを持つという姿勢は、時代に必要とされる生き方なのではないでしょうか。
人は誰しも、目立たずとも、評価されずとも、自分の信じる道を歩むことができます。その継続の力こそが、最も深い意味での修行であり、人生の礎となるのです。
令和7年7月2日 文章再構成
