拉致問題を置き去りにする政権に未来はあるのか

生きているのに、いまだ救い出せない拉致被害者たち。その存在は、日本国家の矜持と人道の原点を問い続けている。

これまでの政権で、真にこの問題に「体当たり」で取り組んだ政治家が果たして何人いたであろうか。少なくとも、安倍晋三元総理こそが、その筆頭だったことは間違いない。彼は在任中、あらゆる外交の場で北朝鮮による拉致問題を国際社会に訴え、何度も「全員の帰国なくして正常化はない」と明言してきた。その言葉には、被害者家族に対する真摯な眼差しと、日本人としての誇りが宿っていた。

しかし、今の政権にその気迫は見られるだろうか。石破茂をはじめとする現政権の姿勢には、あまりに冷淡で腰の引けた印象を受けざるを得ない。まるで中国の顔色をうかがうかのように、拉致問題を語ろうとしない。そして、問題を提起するどころか、「もう解決済み」とでも言いたげな空気すら醸し出している。

こうした態度は、まさに「石破茂」ではなく「石破逃げる」と揶揄されても仕方がない。国民の生命と尊厳に関わる問題から逃げる政治家に、国家の舵取りを任せることはできない。

参議院議員選挙が迫る中で、このままでは自民党は壊滅的な打撃を受けるだろう。それでもなお石破体制にしがみつくのならば、党そのものが国民の信頼を失うだけだ。今すぐ退陣させるべきであり、それが結果として自民党を守る唯一の道でもある。

中国の影に怯えながら、あるいは甘えながら、国家の重大事を見て見ぬふりをする政治家たちに告ぐ。「日本よ、中国にひれ伏すのか?」。拉致問題は、外交カードでも政治の道具でもない。一人ひとりの命の尊厳がかかった国家の責務である。

この国の魂が、いま試されている。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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