母なる国・日本への恩返し

宮司は、ふとした折に立ち止まり、自らに問いかけることがあります。
「いま、こうして生かされていることの意味は何だろうか」と。
日々の営みの中で、思い通りにいかぬこともあれば、歯がゆく、悲しくなるような現実にも出会います。けれども、そのたびに宮司は、深く呼吸をし、目を閉じて、心に言い聞かせるのです。
今、こうして生きているということそのものが、何よりも尊いと。
朝、鳥のさえずりに目覚め、窓を開ければ、四季折々の美しさが迎えてくれる。春には桜がほころび、夏には蝉が鳴き、秋には稲穂がたわわに実り、冬には雪がすべてを浄めてくれる。この大自然の循環の中で、私たちは「生かされて」いるのです。
生きることに、ただ「耐える」のではなく、「楽しみ」を見いだし、「笑顔」で歩んでゆく。それは、決して気楽なことではありませんが、「ありがたい」という心があるからこそ、ニコニコと顔を上げて生きてゆけるのだと、宮司は信じております。
そして、目の前に広がるこの日本の風景を見つめるたびに、心の奥からこみ上げてくるものがあります。
この美しい国、日本。
祖先たちが懸命に守り抜いてきた田畑、神社、山林、海辺。時代の波にさらされながらも、いまなお息づく「和」の心。勤勉で、謙虚で、優しい人々。どこか懐かしく、温かく、そしてどこまでも品格を湛えたこの国は、まさに「母なる国」なのです。
母なる存在には、無条件の愛があります。ときに厳しく、ときに優しく、すべてを包み込むように、宮司たちを育んでくれました。そしていま、こうして日々を生きることができるのは、この母国のおかげであります。
宮司はこの日本に、心の底から感謝しています。
そして願わくば、この国に何か恩返しがしたい。
その恩返しとは、何も大それたことでなくてよいのです。朝、神棚に手を合わせることでもよい。困っている誰かに、そっと手を差し伸べることでもよい。子どもたちに、祖国の素晴らしさを語り継ぐことでもよい。
自分にできることを、自分の場所で、自分の手で。
それこそが、「日本人として生まれた意味」ではないかと、宮司は思うのです。
日本は、世界に誇る素晴らしい国です。
歴史があり、文化があり、誇りがある。
そして何より、「祈り」のある国です。
その祈りを大切にしながら、今日もこの母なる国の風を胸いっぱいに吸い込み、感謝とともに生きてまいります。
日本よ、ありがとう。
宮司はこの祖国に、生涯をかけて恩返しをしてまいります。