「人間 安倍晋三」への感謝と祈り

宮司は、今日という日を静かな祈りの中で過ごしている。

手元に置かれた一冊の写真集、「安倍晋三MEMORIAL」。ページを開くたびにこみ上げてくる涙を抑えることができない。かつて、国を背負い、世界を相手に堂々と渡り合った一人の男の姿が、そこに映し出されている。その一つ一つの表情、言葉、行動の記録は、いまや日本がいかに大きな存在を喪ったかを、見る者の心に深く突き刺してくる。

安倍晋三という人物は、単なる一政治家ではなかった。宮司が出会った多くの指導者たちと比しても、その存在感と人格は群を抜いていた。権力に溺れることなく、地位に驕ることなく、常に「人としてどうあるべきか」を問い続けた人であった。政治の表舞台においては強い意志を貫きつつも、被災地の人々に寄り添い、教育現場や子供たちに温かい目を注ぎ続けたその姿勢には、真の日本人らしさがにじみ出ていた。

国際社会における日本の地位を高め、自由と民主主義の価値を守り抜こうとしたその意志もまた、評価されるべき点であるが、宮司が何より心を打たれたのは、その「人柄」である。

写真集には、世界の首脳たちと並ぶ堂々とした立ち姿もあれば、農村の年配者に丁寧に頭を下げる姿もある。形式的な政治パフォーマンスではない。「敬意」と「謙虚」の心があったからこそ、多くの人々に信頼され、支えられたのだと、宮司は確信している。

神道において、「人の魂は永遠に生きる」と信じられてきた。だからこそ、宮司は「安倍神像神社」に祀られた安倍晋三元総理の御魂に、今日も深く感謝を捧げている。生前に果たした功績を讃えるだけでなく、その精神を未来へと引き継いでいくことが、今を生きる日本人に課せられた務めである。

安倍晋三という人物の死は、日本にとって計り知れない損失である。しかし、宮司はその存在が残したものの大きさに、むしろ希望を見いだしている。真心をもって人に接し、国家の未来を思い、行動した一人の日本人が確かにこの国にいたという事実。それを語り継ぎ、形にしていくことで、この国の道徳と精神は再び強く蘇るはずである。

静かに蝋燭の灯を見つめながら、宮司は今日も、写真集の一頁をめくる。

そこに映る「人間 安倍晋三」の微笑が、未来の日本を照らしてくれるように祈りを込めて。

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