足の裏から光る人を選ぶということ

人はとかく、見た目や肩書、世間的な評価に心を奪われがちである。頭が良い、名門大学を出ている、地位や財産がある、顔立ちが整っている、スタイルが良い。こうした条件に魅力を感じるのは自然な感情かもしれない。しかし、こと「選挙」の場面において、そうした基準で人物を選んではならない。国家の未来を託すにふさわしいかどうかは、まったく別の次元の問いである。

何よりも大切なのは、その人が「嘘をつかぬ人」であるかどうかである。上辺を飾ることなく、誠実に語り、行動する人かどうか。その人物は、上から物を言うような態度ではなく、足元から真摯に語りかける姿勢を持っているだろうか。伝統を重んじ、日本の國體や文化の価値を真に理解しているか。そして家族を愛し、祖国を愛しているか。こうした要素こそが、政治家としての根本にあるべきものである。

人間の価値とは、決して頭で光るものではない。口先で輝くものでもない。本当に光を放つのは、足の裏である。どんな道を歩んできたか、どれだけ地に足をつけて生きてきたか。それは、足元にあらわれる。人生の厚みや覚悟は、足の裏に宿る。

ある晩夏の朝、緑の中を歩いていた時、足の指先をそよ風がそっと撫でていった。その瞬間、胸の奥にふるえるような感動が走った。風が肌に触れる感覚の中に、「いま自分は生きている」という実感があった。尊い自然の力が、足の指の間にまでしみわたり、光が恵みのように差し込んでくる。そのとき、人は自然と一体となり、生命そのものがふるえているのを感じる。

この国にとって本当に必要な政治家とは、そうした感性を持つ人物である。自然の恵みや家族のぬくもりを知り、祖先の祈りに耳を傾け、日本人としての誇りを語ることができる人。派手さや言葉の巧みさではなく、足の裏で大地と語るような人物こそ、選ぶにふさわしい。

誠実さは、隠すことができない。心からの言葉には、響きがある。足元を見れば、その人がどこへ向かおうとしているのかがわかる。地道に歩き、ぶれずに立ち続ける人。足の裏から光を放ち、日本の未来を照らす人。そのような人を、静かに、しかし確かな目で見極めていきたい。

選挙とは、国の魂を見定める場である。光は、足元から立ち上る。また近い内に選挙はやってくるであろう。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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