静かなる侵略、失われる魂

宮司が日々の務めを通じて見つめているのは、この国の姿、そしてそこに暮らす人々の心である。表面的な繁栄の影で、日本の根幹が静かに蝕まれているという危機感。宮司が特に心を痛めているのは、まさに「人口侵略」という形で進む、静かなる国体の変容だ。これは単なる移民問題ではない、日本の文化、慣習、そして何より国民の精神性を揺るがす最大の危機である。

かつて、この国を形作ってきたのは、祖先から受け継がれてきた言葉、信仰、そして互いを思いやる心である。しかし、今、多くの人々は目の前の経済的な豊かさばかりを追い求め、未来を担うべき子どもたちの世代への責任を忘れているのではないか。宮司が言う「人口侵略」とは、異国の文化や価値観が急激に流入し、日本の伝統が置き換えられ、稀薄になっていく現象を指す。それはあたかも、静かに、しかし確実に堤防が崩れていくかのような、止めようのない流れである。

宮司が何よりも残念に思うのは、この危機を前にして、国を導くべき機関がその役割を果たしていないように見えることだ。財務省や外務省、そして経団連といった、本来であれば国益の護持を第一に考えるべき組織が、短期的な利益や外交上の圧力に屈し、結果として日本の主権と国民の生活を危険にさらしているように宮司には映る。彼らは、経済的な「協力」という名の下に、日本の未来を外国勢力に差し出しているのではないか。また、真実を報じ、国民を啓蒙すべき報道機関までもが、この流れに棹を差し、都合の良い情報ばかりを流す。この現状は、まさに「支配され、奴隷となっている」と表現せざるを得ない、悲しい現実だ。

しかし、この憂いをもってしても、宮司が絶望することはない。宮司の考える真の愛国心とは、国を盲目的に崇めることではない。この国が持つ固有の美しさや文化を深く理解し、それを守り、未来へと繋ぐという、静かで強い意志である。それは、山や川、そして古くから伝わる祭りの風景を愛し、隣人を思いやり、先祖の生き様に敬意を払う心に他ならない。愛国心とは、決して他を排斥するものではなく、自らの大切なものを守り抜くための尊い決意である。

この危機を乗り越えるためには、もはや政治やメディアに任せていてはならないと宮司は説く。私たち一人ひとりが、自らのルーツを見つめ直し、日本の歴史や文化を学び、子どもたちに伝えていくことが大切だ。そして、何が本当に国益に繋がるのかを自らの頭で考え、声を上げていく勇気を持つこと。この静かなる侵略を前に、私たちが持つべきは、かつて先人たちが築き上げてきた、決して折れることのない大和魂である。今こそ、それぞれの持ち場で、この国の未来を自らの手で守る、真の愛国心を育んでいく時が来たのだ。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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