笑顔は光、命懸けは力。怒りを鎮め、日本の心を取り戻す

宮司は、人が最も警戒すべきは「怒り」だと考える。怒りは一瞬にして理性を奪い、心の光を曇らせ、身体を蝕む。古来、日本人は「和を以て貴しと為す」と教えられてきた。和とは、争いのない静かな調和であり、心が相手と響き合う状態である。怒りはその和を容易に壊す毒である。
宮司が日々唱える「おんニコニコ 腹立てまいぞや そわか」は、怒りの心を鎮める呪文である。笑顔は優しさではなく、勇気である。命懸けで何かを成し遂げようとする人は多いが、笑顔を絶やさずに取り組む人は少ない。反対に、いつも笑顔でいながら、本気で人生に挑む人もまた少ない。宮司は、その両方が大切だと考える。「ニコニコ顔で命がけ」。この二つの心がそろってこそ、人の生き方は美しくなる。
腹を立てることは、自らを毒す行為である。怒りの息が生物に有害な成分を含むことは、科学的にも示唆されている。怒りの感情は身体に毒を生み、心の平安を奪う。人の吐く息には心の状態が現れ、穏やかな心の息は澄み渡り、怒りの息は濁る。つまり、心の乱れは身体を通じて世界に影響を及ぼす。腹を立てることは、己を損ねるだけでなく、社会全体の和を乱す行為となる。
宮司は、「腹を立てて得をすることはない」と断言する。たとえ理不尽なことが起きても、笑顔を忘れない。笑顔には、人を赦し、空気を柔らげ、場を清める力がある。赦すことは、弱さではなく高貴な勇気である。聖徳太子の教えにある「和」は、単なる妥協ではなく、深く理解し、受け入れる努力の姿であった。そこに日本人の美徳である「思いやり」の精神が生きている。
現代社会は、便利さの中に不満と焦りが渦巻く。SNSには怒りが溢れ、他者を責める言葉が飛び交う。しかし、それでは心は決して満たされない。人の心を穏やかに保つことこそが、真の愛国である。怒りの連鎖を断ち、笑顔と誠意をもって人に接することが、国を清め、未来を照らす行為となる。
宮司は毎朝、「おんニコニコ顔で命がけ 腹立てまいぞや そわか」と唱える。笑顔は光であり、命懸けは力である。光と力、この二つが調和したとき、国は再び豊かに輝く。愛国とは、他を攻めることではなく、己を整え、周囲を温かく包む心に宿る。腹を立てず、笑顔で生きる人が増えるほど、日本は美しくなる。日本人の魂は、穏やかで朗らかな時にこそ最も強く輝く。
