誇りある同盟を。高市首相、初の訪米に臨む

あす、令和8年3月19日、高市早苗首相がワシントンを訪れ、トランプ米大統領との日米首脳会談に臨む。就任以来初めての訪米である。宮司は固唾を呑んでその行方を見守ることになるだろう。日米同盟とは何か。その問いを、今この時代に改めて問い直す機会が訪れたと感じているからである。
今回の訪米の背景には、複雑な外交の地図が広がっている。トランプ大統領は3月下旬から4月にかけ、習近平国家主席との米中首脳会談のために訪中する予定だとされている。日本の頭越しに米中が取引を重ね、アジアの安全保障の枠組みが書き換えられる事態だけは避けなければならない。高市首相の訪米はその直前という絶妙な時機を狙ったものであり、「日本はここにいる」という意志表示でもある。
宮司は思い起こす。昭和65年、西成の暴動の現場で宮司が一人、群衆の前に立って土下座したとき、宮司の心に恐れはなかった。あるのは「この場で何をすべきか」という問いだけであった。膝を折ることは降伏ではなく、場を収めるための決断であった。外交もまた同じではないか。強大な相手の前で物事を語るとき、大切なのは言葉の強さではなく、自国の核心を知り抜いた上での静かな胆力である。
日本はすでに5500億ドルという規模の対米投融資を表明し、防衛費の増額にも踏み込んだ。関税問題でも欧州や韓国に先んじて米国との協議枠組みを整えつつある。同盟関係において日本が誠実さと積極性を示してきたことは確かだ。しかしトランプ政権のもとでの外交とは、誠実さだけでは足りない。相手の論理に飲み込まれず、しかし対立を招かず、日本の利益を静かに守り抜く。そのバランスの技が問われている。
安倍晋三元総理は「言いにくいことを言える関係こそが本当の同盟だ」と語っていた。表面の友好を演じながら核心を避ける外交ではなく、互いの利益と意志を正直に語り合える深みを持つこと。宮司はその言葉を今も大切に胸に持っている。高市首相がワシントンの地で、日本人としての誇りを持って立ち、安倍元総理の志を受け継いだ外交を展開されることを、宮司は神前にて静かに祈り続ける。
