総裁選を揺るがす二つの不祥事

宮司は、いまの総裁選をめぐる空気に強い違和感を覚えている。小泉進次郎氏の陣営に絡んだとされるステマ事件は、単なる宣伝の手段ではなかった。表向きは軽い失態のように扱われているが、その裏に透けて見えるものは、特定の候補を持ち上げることで別の候補を貶めようとする意図である。世論を操作し、偽りの熱狂を作り出すことは、単に進次郎氏の評価を上げるためだけではない。高市早苗議員の存在感を薄め、信頼を損ねようとする狙いが含まれていたと感じざるを得ない。政治の舞台でこうした姑息な手法が使われれば、国民は事実を見失い、正しい判断を下すことができなくなる。これは国を導く立場の者が決して踏み込んではならない領域である。

そして800人もの高市議員支持者を離党させた件も、同じ流れにある。単なる党内処分ではなく、高市議員の力を削ぎ、影響力を奪うための工作であったことは疑いようがない。支持者を追い出すというやり方は、政党における意見の多様性を壊すだけでなく、あえて「高市を支える人々は危険だ」という印象を植え付けようとする悪意すら見える。こうした振る舞いを前にして、民主主義の根幹が崩れつつあると感じる国民は少なくないはずだ。

宮司は、高市議員がなぜこれほど執拗に狙われるのかを思う。答えは明白である。彼女が権力に媚びず、不正や歪みを直そうとするからだ。誰も手をつけたがらない既得権益に切り込み、補助金制度やエネルギー政策に真正面から向き合う姿勢は、多くの国民に希望を与えるが、利権に浸かった者にとっては脅威になる。だからこそ、彼女を引きずり下ろすために、世論操作と支持者排除という二つの手が同時に動いたのだ。

政治は、国民の声を正しく受け止めてこそ成り立つ。裏で仕組まれた称賛や、支持者の大量処分によって歪められた総裁選は、本来の意味を失ってしまう。いま必要なのは虚飾ではなく、信念を曲げない誠実な政治家だ。高市早苗議員こそ、その資格を持っている。宮司は心から祈る。権力の都合で声を封じる政治が終わり、正義と誠実を胸に据えた新しい時代が始まることを。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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