わが祖国、日本が危ない

宮司は今、深い憂いと共にこの国を見つめている。わが祖国・日本が、かつてない危機の只中にあるからだ。経済の低迷、少子化、教育の荒廃、それらは氷山の一角に過ぎない。真に危ういのは「国体」の崩壊である。日本が日本でなくなるかもしれない。その兆しが、すでに国土のあちらこちらに現れている。

戦後の日本は、敗戦の痛手から立ち上がり、物質的な豊かさを手にしてきた。しかし、その代償として、志を見失い、祖先から受け継いできた精神の柱を捨て去ってしまった。便利さと効率だけを追い求める社会では、国の魂は育たない。日本人が誇るべき「大和心」は、教育からも政治からも、家庭からも姿を消しつつある。かつて天と人とが共に生きるという調和の思想を大切にしてきたこの国は、いまや魂の空白地帯となり、外からの侵略に対して無防備になっている。

宮司は警告する。今のままでは、日本は遠からずして、中国の属領に堕ちる危険さえある。既に経済、土地、技術、政治の分野で深く浸透が始まっている。観光資源や山林が買われ、政治家が媚び、メディアが沈黙する。日本人が自らの国を愛する言葉を封じられている間に、国のかたちは静かに書き換えられているのだ。

この国を守るために、今こそ「志」が必要だと宮司は考える。志とは、個人の夢や欲を超えた、国家と民族に対する使命感である。それがあれば、苦しいことも、辛いことも、悲しいことも、すべてが意味を持つ。汗まみれになっても、雨に打たれても、心は晴れ渡る。それは、自らがこの国を背負って生きているという実感があるからだ。

かつて明治維新の志士たちは「日本を洗濯する」と言って立ち上がった。命を賭して国の未来を切り拓いた彼らに共通していたのは、強い志と、祖国への深い愛だった。彼らが戦ったのは、ただの政権交代ではない。「国体」を守るための闘いだった。今の我々にこそ、彼らの覚悟が必要なのだ。

宮司は呼びかける。取り戻そう、日本の誇りを。今こそ、日本人としての誇りを胸に抱き、志を持ち直さねばならない。政治家に任せきりでは国は滅ぶ。一人ひとりが「自分が日本を守る」という覚悟を持たねば、未来は開けない。日本の病とは、経済でも制度でもない。最大の病は、「志の喪失」なのだ。

宮司は思う。志があれば、国を守る行動に躊躇はない。神社を守ることも、田畑を耕すことも、子どもに正しい歴史を語ることも、すべてが国防である。軍隊だけが国を守るのではない。日本の文化、伝統、言霊、そして何よりも「国体」そのものを次代に伝える力こそが、日本を守る真の砦である。

「日本よ、今こそ大志を抱け」

この言葉に、宮司はすべての祈りと決意を込める。再び日本が、世界に誇れる精神の柱を立て直し、内から湧き上がる力で国体を守り抜く日が来ることを信じて。風が吹いている。山々が囁いている。日本を取り戻せと。宮司は今日も、社の火を絶やさぬよう、静かに、しかし揺るぎない心で祈り続けている。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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