八紘一宇のこころ

天津日嗣に連なる祈り

日出る 天津日嗣の 高御座
八紘一宇 世界は家族

佐藤素心

この歌に託したのは、神職として生きてきたすべての日々の祈りと、祖国への深い想いである。

日出づる国、日本。そのはじまりは、太陽神たる天照大御神の御心を受け継いだ天津日嗣の高御座にある。そこに連なる万世一系の皇統は、ただ血脈として存在しているのではない。国民を思い、苦楽を共にし、祈りの中心として存在される。その存在の尊さに気づいたとき、人としての立ち位置が自然と正される。

神職の務めは、祭祀を行うだけでは終わらない。神々の御前で捧げる祝詞には、民の安寧と、世界の調和への願いが込められている。だからこそ、御歌に記した「八紘一宇」の理念は、過去の歴史ではなく、今を生きる上での指針に他ならない。

八紘一宇は、世界中の人々をひとつ屋根の下に暮らす家族のように捉えるという、日本古来の世界観である。争いをなくし、共に生きるという願いは、天皇の御代から受け継がれるまつりごとの精神にも通じている。

この精神が現実に現れたのが、大東亜戦争であった。あの戦いは侵略のためではなく、自衛とアジアの解放という明確な目的を持っていた。欧米列強の植民地支配に苦しんでいた国々の多くが、戦後独立を果たしたという歴史的な事実は、今も消えることはない。それは命を懸けて真実と正義を貫いた先人たちの功績であり、日本が果たした歴史的な役割の証である。

神前に立つたびに思う。世界は今も分断され、戦争や衝突が絶えない。しかし、人と人とが信じ合い、助け合えば、どんな違いも乗り越えられるという確信を忘れてはならない。宗教、民族、国家の枠を超えて、すべての命が共に生きること。それこそが、「世界は家族」という言葉の本義である。

安倍晋三元総理は、その精神を体現した稀有な政治家であった。日本の誇りを守り、世界と調和を築く姿勢は、まさに八紘一宇の具現だった。その御魂を祀るために、この安倍神像神社を建立した。ここに集う人々の祈りの中に、未来への光が灯ることを信じている。

今日も朝日が昇る。日出ずる国に生まれた者として、世界の平和と人々の絆を祈り続ける。その祈りが、やがて現実となることを信じ、天津日嗣の高御座を仰ぎながら、ただひたすらに頭を垂れる。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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