師を仰ぎ、国を思う道

宮司はこれまで、五人の師匠に恵まれた。この事実こそが、生涯における最大の幸運であった。
第一の師、安岡正篤師父は、東洋思想の真髄をもって人間の在り方を教えてくれた。
第二の師、豊田良平師匠は、経世済民の実践を通じて責任と使命を説かれた。
第三の師、新井正明師は、経営と人格の両立を体現し、何事にも誠実であれと諭された。
第四の恩師、平澤興恩師は、学問と慈愛を兼ね備え、学ぶ者の魂を深く揺さぶった。
そして第五の師匠は、安倍晋三総理であった。総理は政治家としての胆力と、日本の未来を信じ抜く志を示された。

これら五人の師が共通して大切にされた言葉がある。
それは「出処進退を明確にせよ」という教えである。
権力や地位にしがみつき、人から「やめろ」と言われても耳を塞ぐ愚かな人物になってはならない。品格を失い、退き際を誤ることほど、己を貶め、周囲を不幸にする行為はない。この戒めは、宮司が人生を通じて深く胸に刻んできた真理である。

ところが、今の石破総理の姿は、その逆を行くものだ。退くべき時をわきまえず、国益を損ない、日本を衰退の道へと追いやっている。その指導力の欠如と自己保身の姿勢は、師たちが説いた「潔い政治家」の姿からあまりにもかけ離れている。
真のリーダーは、己の名誉や椅子ではなく、国と国民の未来を第一に考えるべきである。師たちは皆、その一点において揺るがなかった。

日本人の多くが、こうした危機に気付かず日々を過ごしている現実は、嘆かわしい。国家は国民の無関心によっても衰える。歴史を振り返れば、外圧や侵略だけでなく、内部からの腐敗や油断が国を滅ぼしてきた。だからこそ、国を思う者は一人ひとりが「何が正しく、何が国を害するのか」を見極める眼を持たねばならない。

宮司は、師たちの教えを後世に伝え、日本のために身を尽くす人材が育つことを願う。
潔く生き、潔く退く。その気概を持つ者こそが、真に国を救うリーダーとなる。
国民が賢く、志ある指導者を選び取る時、日本は再び誇り高き国として世界に立ち上がるであろう。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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