横須賀から吹く風。日米の絆と日本人の心

海に立つ艦影を見つめながら、静かに祈る気持ちが湧き上がった。国のために汗を流し、命を懸ける人々がいる。その姿を前に、言葉よりも先に胸が熱くなる。
高市総理がトランプ大統領と共に米海軍横須賀基地を訪れ、空母「ジョージ・ワシントン」の甲板上で語られた言葉は、決意の響きをもって心に刻まれた。「平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこそ守られます。」この一節に、国を治める者としての覚悟、そして日本人としての魂が宿っていた。
かつてこの同じ場所で、安倍晋三元総理とトランプ大統領が手を取り合い、自由で開かれたインド太平洋を誓った。あの時に掲げられた理想は、いま新しい世代の手で受け継がれている。この「継承」という言葉こそ、我が国が長い歴史の中で最も大切にしてきた精神の核にあるものだ。
人はしばしば「平和とは何か」を問う。だが、平和は与えられるものではない。守り抜くための意思と力があってこそ成り立つ。戦後の日本は、その「力」を語ることを避けてきた。だが、高市総理の演説は、その沈黙を破った。力を持つことは、争うことではない。守るための力は、祈りの延長線上にある。刀を抜くのではなく、磨いておく。その心が抑止であり、信頼である。
甲板の上から見渡す海は、静かでありながら、深い重みを持つ。あの海の向こうには、かつて日本と戦い、いまは最も強い絆を結ぶ国がある。敵であった時代を超えて、いまは共に未来を築く同盟となった。この変化を生み出したのは、歴史を忘れず、未来を恐れない精神だ。それを支えてきたのは、国を思う一人ひとりの祈りであり、信念である。
横須賀の港に立つと、日本という国の姿が見えてくる。海に囲まれた島国は、世界とつながりながら生きる。孤立ではなく、自立。服従ではなく、尊敬。この均衡を保つ知恵こそ、日本人の真の強さだと思う。
いま、我が国は新しい時代を迎えている。女性である高市総理が国の舵を取ることは、単なる象徴ではない。それは、伝統の上に立ちながら、新しい風を吹かせるという挑戦である。その姿に、明治の女性たちの凛とした志や、戦中戦後を支えた母たちの強さを重ねることができる。
空母の甲板に響いた総理の言葉は、ただの外交辞令ではなかった。それは「この国を愛する人々への誓い」であり、「平和を守り抜く勇気への呼びかけ」であった。日本の未来は、誰かに委ねるものではない。わたしたち一人ひとりが、祈り、働き、学び、支え合う中にこそある。
国を愛するということは、他国を蔑むことではない。自分の国の良さを知り、誇りを持つことだ。古代から受け継がれてきた「和の精神」は、いまこそ世界が求める価値である。
横須賀の海風に吹かれることを想像しながら宮司は思う。この国の未来は、きっと明るい。それは、誰かが約束してくれるからではなく、わたしたち自身がその光を信じて歩むからだ。
日米の絆が海を越えて強まるほどに、日本人の心の底にもまた、新しい誇りが芽生えている。それは「守る国」ではなく、「導く国」としての誇り。かつての敗戦国が、いまや平和と自由の旗を掲げ、世界に希望を与える。この変化の根底にあるのは、古くて新しい日本の精神である。
神々の国と呼ばれたこの島々が、再び世界に光を放つ日を信じたい。そのために祈り、働き、心を尽くすことこそ、今を生きる我々に課せられた使命である。
