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日本製・越前和紙の御朱印帳

ちりめん生地と越前和紙を用いた、日本製の御朱印帳です。参拝の記録を大切に残す一冊として。

親孝行は古い道徳ではない。受けた命をどう生きるかという問い

親孝行という言葉を、古い道徳だと思う人がいる。

親に従えという圧力のように受け取る人もいる。家庭の形が変わり、親子関係もさまざまである今、親孝行を語ることに慎重な人もいるであろう。

宮司は、その複雑さを軽んじるつもりはない。すべての親子関係が温かいわけではない。親との間に傷を抱える人もいる。簡単に感謝せよと言われても、心がついていかない人もいるであろう。

それでもなお、親孝行という言葉を捨ててはならないと思う。

親孝行とは、親の言いなりになることではない。

親孝行とは、受けた命をどう生きるかという問いである。

親を偶像のように扱う必要はない。親にも弱さがあり、過ちがあり、時に子を傷つけることもある。だが、命を受けたという事実そのものまで憎しみに渡してはならない。宮司は、親孝行の根は、親を美化することではなく、受けた命を粗末にしない決意にあると考える。

人は、父と母を通してこの世に生まれる。たとえ関係に痛みがあっても、命が受け継がれたという事実は消えない。その命を粗末にしないこと。自分を投げ捨てないこと。父母祖先に恥じぬように、今日を誠実に生きること。そこに、親孝行の根本がある。

親を喜ばせることは尊い。元気なうちに会うこと、声をかけること、困っていれば支えること。それらはもちろん大切である。だが、親孝行はそれだけではない。

最大の親孝行は、自分の命を正しく用いることである。

父母から受けた命を、怠惰に沈めない。恨みだけに使わない。損得だけに費やさない。世のため、人のため、家族のため、祖国のために、少しでも善く用いる。その生き方こそ、親への報恩である。

現代は、個人の時代である。自分の人生は自分のものだという考えは、ある意味で正しい。人は他人の所有物ではない。子は親の道具ではない。自分の道を選ぶ自由は尊い。

しかし、自分の人生は自分だけのものだと言い切ってしまう時、人は命の縦糸を忘れる。

人の命は、祖先から流れてきたものである。父母祖先の苦労、祈り、涙、働きがあって、今がある。自分一人の力で生まれ、自分一人の力で育った人間などいない。

この事実を忘れた自由は、軽くなる。

親孝行は、自由を縛るものではない。自由に根を与えるものである。自分はどこから来たのかを知るからこそ、どこへ向かうかを考えられる。受けた恩を知るからこそ、自分の命を無駄にしない覚悟が生まれる。

恩を知らぬ自由は、やがて孤独なわがままになる。恩を知る自由は、責任を伴う道となる。父母祖先の祈りを背に受けていると知る者は、自分の一日を簡単には投げ出さない。今日の仕事、今日の言葉、今日の親への一言。その小さな積み重ねが、命の縦糸を強くしていく。

宮司は、若い人に伝えたい。

親に感謝できるなら、感謝を伝えよ。

照れくさくても、元気なうちに声をかけよ。

会えるなら会え。

親の時間は、永遠ではない。

だが、親との関係に痛みがある人にも伝えたい。無理に心にもない言葉を言う必要はない。だが、自分の命まで憎んではならない。親を許せない日があっても、自分の人生を粗末にしてはならない。あなたが誠実に生きることもまた、命の流れを清める道である。

親孝行は、家庭だけの問題ではない。国の問題でもある。親を軽んじ、祖先を忘れ、子孫への責任を考えない社会は、必ず根を失う。根を失った社会では、損得だけが物差しとなり、命の尊さが見えにくくなる。

家庭で親孝行が語られなくなれば、子供は恩を知る機会を失う。恩を知らぬ人間は、受け取ることを当然と思う。受け取ることを当然と思う社会は、やがて感謝を失い、不満ばかりが増えていく。

感謝は、人の心を強くする。

恩を知る者は、簡単に折れない。

自分の背後に父母祖先の祈りがあると知る者は、孤独の中でも立つことができる。

宮司は、父母祖先を思うたび、自分が今ここに立てるのは自分一人の力ではないと感じる。受けた命、受けた教え、受けた御縁。そのすべてに支えられている。

だからこそ、今日を粗末にしてはならない。

親孝行とは、古い道徳ではない。

受けた命への礼である。

父母祖先と子孫をつなぐ、命の作法である。

親にできることを、今日する。自分の命を、今日正しく用いる。その一つ一つが、家庭を清め、国の根を強くしていくのである。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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