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安倍晋三元総理銅像建立

壁を越える。志ある者は、事竟に成る

人が自分を高めようとするとき、必ず壁にぶつかる。仕事の壁、人間関係の壁、老いの壁、病の壁、金銭の壁、世間の壁、そして何より、自分自身の弱さという壁である。順風のときには見えなかったものが、本気で前へ進もうとした瞬間に、目前に立ちはだかる。そこで多くの人は迷う。これは自分には無理なのではないか。ここまででよいのではないか。もう引き返してもよいのではないか。壁とは、人の覚悟を試すために現れるものである。

宮司は、壁にぶつかることを不幸だとは思わない。むしろ、壁にぶつかるところまで歩いた者だけが、自分を高める入口に立つことができる。何もしない者には壁もない。挑戦しない者には挫折もない。志なき者には苦しみも少ないかもしれない。しかし、その人生に深みは生まれない。人は、楽な道だけを歩いて立派になるのではない。苦しみ、迷い、耐え、なお一歩を踏み出すところに、人間の値打ちが磨かれていく。

壁に突き当たったとき、大切なのは慌てないことである。すぐに答えを出そうとしないことである。目の前の壁が高いならば、まず心を静める。怒りや焦りのまま動けば、判断を誤る。恐れに支配されれば、進むべき道が見えなくなる。人は追い詰められたときほど、深く息をし、神前に手を合わせ、己の心を整えねばならない。

心を静めよ。
志を忘れるな。
一歩を退くな。

古人は「志ある者は事竟に成る」と教えた。志を持つ者は、最後には必ず事を成し遂げるという意味である。これは、ただ願えば叶うという安易な言葉ではない。志ある者は、困難に遭っても容易に諦めない。失敗しても学ぶ。退けられても工夫する。笑われても耐える。邪魔されても腐らない。だから最後には道が開けるのである。

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宮司は、念仏を唱えるように、この言葉を胸に刻んできた。壁にぶつかったとき、眠る前にも、歩きながらでも、心の中で何度も繰り返す。志ある者は事竟に成る。今は苦しくとも、必ず道はある。今は見えなくとも、神々は見ておられる。そうして、焦る心を鎮め、また翌朝、歩き出すのである。

日本人は、本来この強さを持っていた。災害に遭っても立ち上がり、焼け野原から国を再建し、貧しさの中でも子を育て、祖先を敬い、家を守り、地域を守ってきた。日本の歴史は、壁を越えてきた歴史である。海に囲まれた小さな島国が、幾度もの国難を乗り越え、世界に誇る文化と秩序を築いてきたのは、先人たちが諦めなかったからである。

しかし、今の日本はどうであろうか。少し不都合があれば投げ出す。少し批判されれば黙る。少し面倒であれば先送りする。努力よりも近道を求め、忍耐よりも快適さを求め、責任よりも権利を語る。そのような心が広がれば、国は静かに弱っていく。壁を避ける国民に、国難を越える力は生まれない。

壁は、越えるためにある。
苦難は、魂を鍛えるためにある。
忍耐は、未来を開くためにある。

安倍晋三元総理の歩みを思うとき、宮司はそこに一人の政治家の志を見る。批判を浴び、誤解され、嘲笑され、それでも日本を取り戻すという言葉を掲げ、戦後日本が避けてきた問題に向き合おうとされた。憲法、安全保障、拉致問題、教育、皇室、国のかたち。どれも容易な問題ではなかった。大きな壁であった。しかし、壁があるからこそ、そこに志ある者の出番がある。

人は、壁の前で本性が出る。逃げる者もいる。言い訳をする者もいる。人のせいにする者もいる。しかし、真に志ある者は、まず自分を正す。足りないものを学び、弱い心を鍛え、感情を整え、黙って準備を重ねる。大きな壁ほど、力任せに打ち破ることはできない。祈りと努力、忍耐と工夫、誠と胆力によって、少しずつ越えていくのである。

これからの日本人が進むべき道も、ここにある。第一に、志を持つことである。何のために働くのか。何のために学ぶのか。何のために家庭を守り、地域を支え、国を思うのか。その根本を持たぬままでは、困難に遭ったときにすぐ崩れる。志とは、人生の背骨である。国にとっては、国家の背骨である。

第二に、壁から逃げないことである。日本はいま、人口減少、国防、教育の荒廃、経済の停滞、外国勢力の浸透、家族観の崩れという、いくつもの壁に直面している。これを見ないふりしてはならない。誰かが何とかしてくれると思ってはならない。国民一人ひとりが、自分の場所で壁に向き合うことから、日本の再生は始まる。

第三に、心を静めて歩むことである。怒りだけでは続かない。嘆きだけでは変わらない。大声だけでは壁は越えられない。必要なのは、静かな覚悟である。朝、神前に手を合わせ、今日なすべきことをなす。仕事を丁寧にし、家族を大切にし、国を思い、先人に感謝し、自分の弱さと戦う。その積み重ねこそが、最も強い力となる。

壁の前で、諦めるな。
壁の前で、人を恨むな。
壁の前で、自分を磨け。

人間は、越えた壁の分だけ大きくなる。国家もまた、越えた国難の分だけ強くなる。いま日本の前にある壁は小さくない。しかし、志を失わなければ、道は必ず開ける。祈りを忘れず、努力を怠らず、忍耐を重ねるならば、日本人の魂は必ず甦る。

甦れ、日本人の志。壁を恐れず、困難に退かず、ただ今を正しく生き抜く。その一歩一歩が、令和の日本を再び立ち上がらせる道である。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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