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中露の対日連携と北方領土。国を守る覚悟を失うな

産経新聞は令和8年8月20日、プーチン露大統領による択捉島訪問を受け、中国政府がロシアの主張に寄り添い、中露両国の対日連携が鮮明になっていると報じた。

プーチン大統領は8月13日、北方領土の択捉島を訪問した。日本政府が繰り返し訪問しないよう申し入れていたにもかかわらず、訪問は強行された。高市早苗総理は同日、強く抗議する考えを明らかにした。

さらに中国外務省は翌14日、「世界反ファシズム戦争の勝利の成果は、適切に尊重され、守られるべきだ」と述べ、日本に「戦後の国際秩序」を守るよう求めた。北方領土をロシア領と明言したわけではない。だが、その言葉がロシア側の主張に重なることは見過ごせない。

宮司は、この報道に接し、強い危機感を覚えた。

これは、遠い北の島だけの問題ではない。

これは、外交官だけに任せておけばよい問題でもない。

日本という国が、自らの領土を守る意志を持っているのか。その覚悟が、国民の心に残っているのか。いま問われているのは、日本の背骨である。

北方領土とは、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の四島である。外務省によれば、1855年の日魯通好条約によって択捉島とウルップ島の間に国境が確認されて以来、北方四島は一度も他国の領土となったことのない日本固有の領土である。

しかし昭和20年、ソ連は当時なお有効であった日ソ中立条約に反して対日参戦し、日本がポツダム宣言を受諾した後に北方四島を占領した。島で暮らしていた日本人は故郷を追われた。家があった。学校があった。神社があった。父母祖先の墓があった。その暮らしごと奪われたのである。

領土とは、地図に引かれた線ではない。

そこには、人の暮らしがある。祖先の記憶がある。海を守ってきた漁師の汗がある。故郷へ帰る日を願い続けてきた元島民の祈りがある。

宮司は思う。北方領土を語る時、面積や資源や軍事だけを語ってはならない。もちろん、それらは国家にとって重大である。だが、その根にあるのは、故郷を奪われた人々の痛みであり、国が国民の暮らしを守る責任である。

中露両国が接近するのは、それぞれの国益に基づく外交であろう。国家が協力し合うこと自体を否定するものではない。日本もまた、対話の道を閉ざしてはならない。平和を求め、衝突を避け、粘り強く外交を続けることは大切である。

しかし、対話と譲歩は違う。

平和と忘却は違う。

友好を願うことと、自国の領土を曖昧にすることは違うのである。

相手が力を合わせて迫る時、日本だけが善意を唱えていれば国が守られるのか。抗議の言葉を発するだけで、相手の行動を止められるのか。外交、経済、安全保障、情報発信、教育。そのすべてを結び、日本の立場を粘り強く世界へ示さねばならない。

国際社会では、沈黙はしばしば同意と受け取られる。忘却は、権利の放棄へ近づく。守る意志を示さない国の領土を、他国が進んで守ってくれることはない。

宮司は、政治家に申し上げたい。

北方領土を政争の道具にしてはならない。選挙の時だけ語ってはならない。政府は日本の歴史的、法的立場を一貫して示し、元島民の思いを受け止め、国民に進展と課題を丁寧に説明すべきである。党派を超えて、国家の意志を示さねばならない。

同時に、宮司は国民にも問いかけたい。

択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島。この四つの名を、私たちは子供たちに伝えているだろうか。なぜ日本固有の領土なのか。そこで誰が暮らし、何が起きたのか。学校で学び、家庭で語り、地域で記憶をつながなければ、やがて北方領土は地図の隅の言葉になってしまう。

国を守る第一歩は、国を知ることである。

歴史を学ぶ。地図を見る。元島民の証言に耳を傾ける。北方領土の日を心に留める。政府の主張を確かめ、自分の言葉で子供に伝える。小さな行いに見える。だが、国民が忘れないことこそ、国家の意志を支える土台である。

愛国とは、他国を憎むことではない。ロシア人や中国人を敵視することでもない。自らの国を大切にし、歴史の事実を見つめ、不当なことには静かに、しかし明確に異を唱えることである。憎しみに流されず、卑屈にもならず、礼節を保って正義を貫く。それが日本人の強さである。

神社には、土地の記憶が宿る。祖先が祈り、子供が遊び、祭りが営まれ、人々が故郷の安寧を願ってきた。北方四島にも、同じ日本人の暮らしと祈りがあった。その記憶を、時間の中へ消してはならない。

領土を失うとは、土地だけを失うことではない。

記憶を失うことである。誇りを失うことである。子孫へ渡すべき国の形を失うことである。

宮司は思う。日本は、私たちの代だけの所有物ではない。父母祖先から預かり、未来の子供たちへ手渡す国である。預かったものを守ろうとせず、次の世代に何を残せるというのか。

中露の対日連携が鮮明になる今こそ、日本人は目を覚まさねばならない。

対話を続ける。備えを固める。歴史を伝える。国際社会へ訴える。そして、決して忘れない。

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北方領土は、日本固有の領土である。

宮司は今日も神前に祈る。故郷を奪われた方々の思いが次世代へ受け継がれることを。日本が礼節と強さを備え、自らの国土と国民を守り抜く国であることを。

国を守る覚悟は、国を忘れない心から始まるのである。

参考記事・資料

– 産経新聞「中国、プーチン氏の北方領土訪問で足並みそろえる ロシアの主張に寄り添い対日連携」
https://www.sankei.com/article/20260820-2JGRISIOVFO5FCJAN4KVLZSNMM/
– 首相官邸「プーチン大統領による択捉島訪問についての会見」
https://japan.kantei.go.jp/105/speech/202608/0813kaiken.html
– 外務省「北方領土」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/index.html
– 中国外交部「Foreign Ministry Spokesperson Guo Jiakun’s Remarks on August 14, 2026」
https://www.fmprc.gov.cn/eng/xw/fyrbt/202608/t20260814_12004508.html

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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