揺らぐ時代に背骨を示す政治。令和日本の行方と高市内閣への静かな期待

衆院選後に発足した第2次高市内閣は、令和8年度予算の年度内成立を明言し、責任ある積極財政を軸に、消費税減税、給付付き税額控除、憲法と皇室典範の改正など、国家の根幹に関わる課題へ挑み続ける姿勢を示した。
国のかたちが揺らぐとき、言葉より先に問われるのは姿勢である。今回の国会召集と新内閣の発足に接し、宮司の胸にまず浮かんだのは、その一点であった。政権運営とは、単なる制度設計や数字合わせではない。日々の暮らしの背後にある不安を受け止め、明日への道筋を示す覚悟の積み重ねである。
年度内成立を目指すと明言された予算対応は、国民生活を最優先に据える意思の表れであろう。物価高に直面する家庭や、先行きに迷いを抱える現場にとって、政治の決断が遅れることは、そのまま生活の重みに直結する。ここで示された迅速さは、政権の背骨がどこにあるのかを静かに語っている。
経済政策に掲げられた責任ある積極財政という言葉は、拡大や抑制といった単純な対立を超えた響きを持つ。田畑に水を引くとき、闇雲に流せば土は痩せ、惜しみすぎれば芽は育たない。要は、地形を知り、季節を読み、必要なところへ確かに行き渡らせることである。国の財政もまた同じであり、現場を見据えた胆力と節度が試される。
憲法や皇室典範の改正に挑み続けるとの言葉も、軽く受け取るべきではない。これらは日常から遠い理念ではなく、日本という家屋の柱と梁に等しい。傷みが見え始めたとき、手を入れる勇気を持つか否かで、次の世代が住む空間の安定は大きく変わる。挑戦を続けるという姿勢は、壊すためではなく、長く守るための選択であると受け止めたい。
連立与党との協調、野党への協力要請にも、和を尊ぶ政治のあり方がにじむ。異なる立場が向かい合う場は、往々にして角が立つ。しかし、舟を同じくして川を渡るなら、櫂の打ち方を合わせねばならない。激流の時代にあって、対話を重ね、合意点を探る忍耐こそが、国を前へ進める力となる。
外交に目を向ければ、日米関係の強化に意欲を示した点も心強い。外に対して背筋を伸ばすには、内側の結束が欠かせない。安全保障、経済、文化を一体として捉える視点は、日本が世界の中で自らの役割を果たすための基本である。
宮司は、今回の内閣に、声高ではないが芯の通った期待を寄せている。大切なのは、短い成果を誇ることではなく、後に振り返ったとき、あの時の選択が国を支えていたと静かに語られる歩みである。朝露に濡れた草木が、やがて根を深く張るように、今の決断が未来の安定へとつながることを願ってやまない。
令和の時代に求められるのは、派手な言辞よりも、天地を仰いで恥じぬ心構えである。人と人とが寄り添い、違いを抱えたままでも道を譲り合える社会。その土台を整える政治が、いま確かに動き始めた。その歩みが揺るがぬものとなるよう、静かに、しかし強く期待を寄せたい。
