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安倍晋三元総理銅像建立

心の態度が人生を決める

人間にとって本当に大切なものは何か。知識か、地位か、財産か、それとも頭の良さか。宮司は、長い人生を歩む中で、それらよりもさらに根本にあるものが、人の心の態度だと考えるようになった。

どれほど豊かな知識を持っていても、どれほど優れた才能に恵まれていても、心の向きが間違っていれば、その力は正しく生かされない。反対に、学問や財産に恵まれなくとも、真剣に物事へ向き合い、謙虚に学び、誠実に生きようとする者は、やがて周囲から信頼され、自らの道を切り拓いていく。

人生を決めるのは、置かれた環境だけではない。その環境を、どのような心で受け止めるかである。

同じ困難に遭っても、ある者は「なぜ自分ばかりが」と嘆き続ける。ある者は、その困難から何を学ぶべきかを考え、自らを磨く機会として受け止める。目の前にある出来事は同じでも、心の態度によって、その後の人生は大きく変わっていく。

宮司は、人生とは心の持ち方によって、光にも闇にもなるものだと思っている。

不平不満を抱きながら生きれば、どれほど恵まれた場所にいても、心は満たされない。他人を羨み、責任を周囲へ押しつけ、自分の不遇ばかりを数えていれば、やがて人の心は曇っていく。

しかし、与えられたものに感謝し、自らの足りない部分を省み、今日できることに力を尽くすならば、どれほど厳しい境遇の中にあっても、人は希望を失わずに生きることができる。

心の態度とは、気分のことではない。

今日は明るい気分だから前向きに生きる。明日は嫌なことがあったから投げやりになる。そのように、その時々の感情に振り回されることではない。

心の態度とは、自分はいかに生きるのかという、人生に対する根本の構えである。

困難から逃げない。人のせいにしない。約束を守る。受けた恩を忘れない。間違いに気づけば改める。人が見ていないところでも、自らを律する。

そうした日々の積み重ねが、その人の心の態度をつくっていく。

人の本当の姿は、順調な時には分かりにくい。仕事がうまくいき、人から褒められ、何不自由なく過ごしている時には、誰でも穏やかでいられる。

しかし、思いどおりにならない時、損をした時、批判された時、裏切られた時に、その人の心の本質が現れる。

怒りに任せて他人を傷つけるのか。自分の非を認めず、責任から逃げるのか。それとも、感情を鎮め、相手の言葉にも耳を傾け、自分がなすべきことを考えるのか。

苦しい時にこそ、その人が日頃、何を大切にして生きているのかが明らかになる。

宮司も、これまで決して平坦な道だけを歩いてきたわけではない。思いが伝わらないこともあった。誤解を受けることもあった。尽くしても報われず、孤独を感じる時もあった。

それでも、苦しい出来事のたびに考えてきた。

この出来事は、自分に何を教えようとしているのか。自分には、まだ何が足りないのか。ここで腐るのか、それとも一段高い人間になるのか。

人生で起きる出来事を、ただ災難として終わらせるか、自らを磨く糧に変えるかは、自分の心次第である。

刀は、何度も火に入れられ、槌で打たれ、冷たい水に浸されることで強くなる。人間の心も同じだ。厳しい現実に打たれ、自分の弱さと向き合い、立ち上がることを重ねる中で、少しずつ強さを身につけていく。

苦労を知らない者が悪いのではない。しかし、苦労に出会った時に、それをただ恨みの材料にするのか、人間として成長する機会にするのか。そこに大きな違いが生まれる。

宮司は、頭の良さを軽んじているわけではない。学問は大切であり、知識も必要である。しかし、知識は使う者の心によって、善にも悪にもなる。

優れた頭脳を自分の利益だけに使う者もいる。他人を言い負かし、自分の正しさを誇るためだけに知識を振り回す者もいる。そのような学問は、人間を立派にするどころか、かえって傲慢にしてしまう。

本当に学問を身につけた者は、自分の知らないことの多さを知り、謙虚になる。相手の立場を考え、自分の知識を世のため人のために生かそうとする。

学問の目的は、頭を飾ることではない。人間を磨くことである。

何のために学ぶのか。誰のためにその知識を使うのか。そこに正しい心の態度がなければ、学問は単なる道具に過ぎない。

これは仕事でも同じである。

能力が高いことだけで、立派な仕事人になれるわけではない。挨拶をする。時間を守る。人の話をよく聞く。失敗を隠さない。任された仕事を最後までやり遂げる。

当たり前に思えることを、当たり前に続けられる人こそ、周囲から信頼される。

仕事とは、技術だけでするものではない。心でするものだ。

どれほど小さな仕事であっても、真心を込める。誰も見ていなくても手を抜かない。自分の仕事が、誰かの暮らしを支えていることを忘れない。

その心が、仕事に魂を与える。

宮司は、神社での奉仕も同じだと考えている。祝詞を正しく奏上することも、祭典を滞りなく執り行うことも大切である。しかし、形だけ整っていても、そこに敬神の心がなければ、真の奉仕とはいえない。

境内を掃き清める時にも、参拝者を迎える時にも、神さまにお仕えしているという心を忘れない。一枚の落ち葉を拾うことも、一人の参拝者へ頭を下げることも、すべて神事につながっている。

心の態度は、特別な時だけに現れるものではない。むしろ、誰も注目しない日常の中に現れる。

履物を揃える。使った物を元へ戻す。食事に感謝する。人から受けた親切に礼を言う。約束したことを守る。

小さなことを粗末にする者は、やがて大きなことも粗末にする。小さなことに心を込められる者は、大きな責任を任されても誠実に果たすことができる。

人生は、大きな出来事だけでつくられるのではない。何気ない一日、一つの言葉、一つの振る舞いの積み重ねによってつくられていく。

「心を正しく持ちなさい」と言うのは簡単である。しかし、人間の心は放っておけば、楽な方へ、怠ける方へ、自分に都合のよい方へ流れていく。

だからこそ、日々自分の心を点検しなければならない。

今日、人に対して不親切ではなかったか。自分の都合ばかりを優先しなかったか。感謝すべきことを当然と思わなかったか。言い訳をして、なすべきことから逃げなかったか。

一日の終わりに、自分自身へ静かに問いかける。その積み重ねが、人の心を整えていく。

神前に立つことも、自らの心を整えるためである。

神さまは、人間の願いを何でもかなえるためにおられるのではない。神前で頭を下げ、自分の小ささを知り、心の汚れを払い、正しい道へ戻る。そのために私たちは神社へ参拝する。

願い事を申し上げる前に、まず感謝する。

今日も命をいただいていること。家族がいること。働けること。食事をいただけること。雨や風、太陽の恵みに生かされていること。

感謝の心を持つと、人の見える世界は変わる。不足ばかり数えていた心が、すでに与えられている多くの恵みに気づき始める。

感謝は、人を弱くするものではない。むしろ、人を強くする。

自分は一人で生きているのではないと知るからこそ、受けた恩に報いようという力が湧く。祖先や父母、家族、地域、国家から受けたものを、次の世代へ返そうという志が生まれる。

宮司は、人生の価値は、何を得たかだけで決まるものではないと思っている。

何を与えたか。誰のために尽くしたか。苦しい時にも、どのような心を守ったか。人生の最後に問われるのは、そのようなことではないか。

財産も地位も、死ねばこの世に置いていく。しかし、人に与えた親切、守り抜いた約束、次の世代へ伝えた志は、自分が亡くなった後も残っていく。

心の態度とは、自分だけの問題ではない。

親の心は子供へ伝わる。指導者の心は組織へ広がる。政治家の心は国のあり方を左右する。一人ひとりの心の態度が、家庭をつくり、社会をつくり、国家をつくる。

国が乱れる時には、制度の問題だけではなく、人の心の乱れがある。責任より権利を求め、奉仕より利益を優先し、恥を知らず、誠を軽んじる者が増えれば、どれほど立派な制度をつくっても国は良くならない。

日本を立て直すためには、一人ひとりが自らの心を立て直さなければならない。

国を変えてほしいと願う前に、自分の家庭で正しい生き方を示す。社会を批判する前に、自分が約束を守る。政治家に責任を求めるなら、自分も与えられた務めを果たす。

人任せにせず、まず自分から始める。その心が必要である。

宮司は、人間の価値は、生まれや肩書ではなく、日々どのような心で生きているかによって決まると考えている。

苦しい時にも感謝を忘れない。成功した時にも驕らない。失敗した時には素直に反省する。困っている人がいれば手を差し伸べる。自分の損得を越えて、正しいと思う道を歩む。

そのような人間でありたい。

頭の良さを誇るより、心を磨くこと。人から評価されることを求めるより、神さまや祖先の御前に恥じない生き方をすること。

心の態度が変われば、言葉が変わる。言葉が変われば、行いが変わる。行いが変われば、習慣が変わる。そして習慣が変われば、人生が変わる。

人生を変える第一歩は、遠い場所にはない。

今、この瞬間に、どのような心で目の前のことに向き合うか。

宮司は、それこそが人間にとって最も大切な学びであり、生涯をかけて修めるべき道であると信じている。

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この記事を書いた人

佐藤素心(一彦)。宮司。昭和16年山口県生まれ。元大阪府警勤務。1979年(昭和54年)の三菱銀行人質事件では機動隊員として活躍。事件解決に尽力した。1990年(平成2年)の西成の暴動では自身が土下座をして騒ぎを治めた。その他、数多くの事件に関わり活躍した人物。警察を退職後は宮司となり奈良県吉野町の吉水神社(世界遺産)に奉仕。吉野町の発展に寄与。故・安倍晋三元総理をはじめ、多くの政治家との交流を持つ。現在は長野県下伊那郡阿南町に安倍晋三元総理をお祀りした安倍神像神社を建立し、宮司を務めている。

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